Je suis Vous 私はあなたです。
今展《私はあなたです!》では都市での我々の居場所、
個人のアイデンティティに迫ります。
この写真シリーズは、パリ12区にある作家のアトリエから通行人を撮影したもので、
人が町を歩くという、日常生活の一瞬を切り取っています。
どこから来たのか、何処へ向かうのか、歩く人々の国籍は都市がもつ一つ一つの様相を
捉えています。
≪私はあなたです!≫ の写真シリーズ解説
エリック•ヴァッサルは、自分のバルコニーから、シンプルなコンパクトカメラで捉えた人々(犬の散歩をする人、自転車、あるいは徒歩で移動する人々など)の一連のスナップを展示します。この非常に都会的な世界は、すべてどこか不確定の場所に先急いでいるかのようです。地面に映る影は、平穏な人々とは対照的に、絶え間のない動きを強調します。
そこでアーティストは、パリ12区の中心にある彼のアパートの窓の下で繰り広げられる日常生活の日常的シーンの瞬間的ショットのようなものを写真にすることにしました。
厳格かつ簡素に撮影された、同じようにも見え、それぞれ違う体つきの人々は、まるで小津監督のフレーミングのようでもあります。偶発的で、はかない一瞬で捉えた個々の足取りは、見たところ同じテンポに見え、人々の体は、不確定の世界の中で中断しているようです。彼らは、どこに行き、どういう人たちなのでしょう? 日常生活の一瞬は、時間の制限として写真に定着されています。
写真は、動いているものを固定し、停止させ、分離するものをつなぎます。
我々は、創造され、消え去る同じ宿命にある都会の当事者です。構成されたこれらの写真は、実在する瞬間と、消失の前兆の像です。エレック・ヴァッサルの作品は、歴史や、古代神話を巧みに参照するのが常で、ここでは、はかない人生の糸を紡ぎ、そして断ち切る執拗な運命の神々であるパルカの神話(ギリシャ神話ではモイラ)を秘めています。
Eric Vassal (エリック・ヴァッサル)略歴
〈近年の個展〉
- 2012
- 2012 《アーティファクト》芸術及び考古学博物館 (オーリヤック/フランス) 6.7月
- 2012
- サンルイ回廊(アヴィニオン/フランス)3月
- 2012
- 《水の夢》 シャトードー (ブールジュ/フランス) 3月
- 2012
- 2012 《私はあなた》ギャラリー・サントキャテリーヌ (ロデーズ/フランス)
- 2012
- 2011 《パズル》バロワ美術館 (バル=ル=デュック/フランス)
- 2011
- 《現代の自然》クルーズの谷美術館( エグゾン・シャントン/フランス)
- 2010
- 《グラフィティ》アルベール・マルツェル美術館(マルマンド/フランス)
- 2010
- 《フォトグラフィー》自然歴史美術館 (ペルピニャン/フランス)
- 2010
- 《インスタレーション》シャペル・ド・ペニトン (ショ・エイギュ/フランス)
- 2009
- 2009 《レゾナンス》シャペルドテルドビル (ウズー/フランス)
- 2009
- 《1989/2009》ギャラリー・ブランレグリーズ (パリ/フランス)
アートフェア/サロン
- 2004
- 2004 パレ・ド・トーキョー
- 2004
- アート・イベント アフリカンミューズギャラリー(リール/フランス)
- 2003
- アート・パリ アフリカンミューズギャラリー (パリ/フランス)
- 2001
- ≪世界の版画≫ ロイ・アザック美術館 (パリ/フランス)
パブリックコレクション
ベルネイ美術館コレクション
フランス国立図書館コレクション
ヒューレット・パッカード財団コレクション
版画国際美術館コレクション