-惑星(ほし)のかけら -
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布に版画と、刺繍を組み合わせた作品を制作しています。
わたしたちは惑星(ほし)のかけらの上で生きています
ちっぽけだけど、愛しいもの
作品からほのかに伝わっていると嬉しいです
現在京都精華大学版画コース3回生
画廊から見た美学生の展覧会
”コマーシャルギャラリー”が企画展を催し、現代美術の商品化と販売に骨身を惜しんで努力している中、”貸し画廊”の存在意義は非常に厳しい限りです。貸し画廊のクライアントは、画廊を借りてくれるアーティストであり、コマーシャルギャラリーの社会性から勘案すると非常に薄いものだと考えられます。しかし、一方では芽吹く前の学生アーティストが勉強し、自分を見出だす場所としての画廊は大切な役目を果たし、そこをプラットフォームとして多数の卒業生がコマーシャルギャラリーへと巣立っていきます。奥山枝里子の作品は、今後コマーシャルギャラリーへの巣立ちを予感させるものでした。大阪・東京・上海のアートフェアを見る限り、近代以前は求められていた職人的な技術や技量はどちらかと言えば求められず、、”今”という時間を写す若若しい感性が作品が求められているように感じます。残念ながら年長のアーティストは、長年の社会感覚が積分として作品に重ね合わさり、非常に不利になってきています。反対に若いアーティストは、”いま”という時間の切り口を端的に表現することができます。
IT社会に入り、1年が過去の1/3の速さで進むようになったと言われます。新幹線も東京ー大阪が2時間半で日帰り出張の時代になりました。そのような時代背景の中、切り口が広い、年長者の造形力のあるアートが理解されにくくなったのは当然のように思います。
今という時間を写すアーティストが出るためには、早い時期にその卵のアーティストが自分とは何かということを掴む必要があります。それには、こういった貸し画廊が格好の場であるように思います。今回、奥山枝里子の展覧会を見る限り、彼女は自分とは何か、そして自分が表現するということは一体何であるかという抽象的な感覚を自分の中でしっかり掴んだと思います。
本当に今後が楽しみです。 <中島由記子>