陶磁器のオブジェの展覧会です。
白荒土と半磁器を混ぜ、そこに釉薬をかけ、高温(約1240度)で焼いたものです。作品は美しい曲線で象られ、その曲線の部分が全体のフォルムを作っています。釉薬をかけた部分がうす青く、海や空の青さを連想させます。釉薬が掛かっておらず、土の色がそのまま出ている部分は、貝がらのざらざらした質感を感じさせます。
作品全体は有機的です。石灰質の地層の白さは自然で肌に近い感じがします。半磁器であるため、実際の作品も柔らかく、鉄や金属て作った造形作品とはかなり異なるものに仕上がっています。
作品全体の形はまるみを帯びており、柔らかい女性的な感じがします。巻貝や花びらのイメージを連想させる作品は、その中に何かを大切に抱きつつも開こうとしている内的な情緒を感じることができます。形状の面白さとともに、釉薬が掛かっている部分と掛かっていない部分の質感の差が、作品全体のコントラストを生み出し、面白さを増しているように感じます。
略歴
1980年生まれ
2002 京都教育大学教育学部造形表現専攻 卒業
2005 京都市立芸術大学大学院陶磁器専攻修了
現在 京都にて作陶中
2000 グループ展 (ギャラリー彦九郎/京都)
2002 卒業制作展 (同時代ギャラリー/京都)
2002 個展 (アートスペース虹/京都)
2003 グループ展 (楽空間 祇をん小西/京都)
2005 日韓現代陶芸ー新世代の交感展 (愛知県陶磁資料館)
修了制作展 (京都市美術館)
グループ展 (TOPOHAUS/韓国・ソウル)
2006 現世美術展 (建仁寺/京都)
かのこ展 (ぎゃらりかのこ/大阪)