長身でほっそりとした体つき、ロングヘアーで美人な作家ASADA。
自分自身の体を戦闘オブジェ(鎧のようなもの)に身を包み写真をとって作品にしています。写真撮影する前は、そのボディを美しく鍛え、モデルのような筋肉質な体にします。
戦闘オブジェは、男性器を連想させたり、相手を殺傷するための戦闘武具がついていたり、目を見張る形態のものです。これらのオブジェもASADA自信がデザインし、陶器で作ったものです。ベルト、甲冑、ヘルメット、具足など全て着ると数10KGにもなり、重くて長い時間の撮影に耐えることが出来ません。
女性であり、出産し、作家であること。
今回の展覧会の返答に関して、出産後すぐであったASADAは非常に戸惑って、半ば断りのMAILを私に返信してきました。--------------------------------------------------------------------
2008/3/31 のASADAの返信
大阪でも3回目となると、それなりのクオリティーでなくては
勝負できないと思いますし、2008お正月だと産後初個展となりますので、
かなり勝負になるとも自覚しています。
・・・そうなると、今の現実として2008お正月となると非常に難しいのです。
今まで(妊娠前)、頂くお話しは断らないを信条に活動しておりましたが、
ホントに悔しい気持ちではありますが、それでは通らないのが今の残念な現実です。
女だからといわれたくないですし、言い訳もしたくありませんが、率直に現実です。
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しかし私は、お正月のギャラリーの企画展としてどうしても彼女を紹介したいと望んでいました。
同じ女性として、出産に負けて欲しくないという気持ちもありましたが、それよりもアートがもっと大らかで柔らかい部分があると常々私は思っています。作家は死ぬまでアーティストで、その人生の時間の中で幸運にも様々な作品を製作する機会が与えられます。ボーダーレスアートという身障者のアート色々な形で認められつつあります。コマーシャルギャラリーで展開している勝つか負けるか、食うか食われるかのアートは時に人を疲れさせ、アートから鑑賞者を遠ざけてしまいます。
2007年の国立国際:エミリー・ウングワレー展では、自然の中で表現されたプリミディブな作品が取り上げられ話題を得ました。彼女の人間性が放つ表現が多くの人に安らぎと癒しを与えたことでしょう。
今回、時間のやりくりの中での展覧会になることは間違いありません。しかし、他方では様々な人と共感を共有することが出来る素晴らしい展覧会になると信じております。
たくさんの皆様にご高覧いただけましたらと願っております。
画廊 編 ぎゃらり かのこ/中島由記子