まとわりつくようなさわやかな空気とあたたかい光り。
春はあらゆるものからエネルギーを吸い込み輝いているようにみえます。
きらきらとした眩しい光りに目がくらんでいる間に抜け殻にされてしまいそうな、そんな緊張感から気が抜けません。
そんなときでも空を見上げると、遠いところにはひんやりとした空の色が広がっています。
その変わらないようすで、まとわりついた春の空気が心地よいものに感じられます。寺田就子
-----寺田就子さんの展覧会を終えて------
作品が物語る優しい人柄の寺田就子の展覧会が終わりました。彼女が語る言葉の一つ一つが作品を紡いでいきます。
●寺田就子の言葉を集めてみました。●
・100歳のなるおじいちゃんと、99歳のおばあちゃんがおうちにいます。おじいちゃんはとっても元気で、毎日朝から麦酒を飲んで、赤い顔をしています。おじいちゃんは家族の言う事を全然きかないので困っています。
・お母さんは、お料理が上手です。小学校のときから、この日には何人くらいのお友達を呼ぶように、とお母さんに言われてお友達をたくさん連れてきました。その日は、食卓にお母さんの手料理がいっぱい並びました。私が大学生になるくらいまで、続いたように記憶しています。
・猫とりんごの絵が大好きです。猫とりんごの絵の描いたものを集めています。
・昔から空を飛べたらいいなあ、って思っています。
・小学校の時は、どの道とどの道が繋がっているのか分かるのがとっても面白くって、毎日クラスのお友達をお家まで送って校区中を歩きました。
・色は「青」が好きで、携帯もスカートも青をです。
・作品のたんぽぽの綿毛は、空を飛びたいなあ、って言う気持ちを表しています。
・きらきら光るものが小さい時から大好きで、いつも集めています。
・家族はみんな動物嫌いなのですが、猫が好きなので、家の外で野良猫にえさをあげて飼っています。
・高校の時は、ブラスバンド部でクラリネットを吹いていました。
・作品に使っているアクリルは、その中に空気があるということが私には大事です。
●ギャラリートーク●
3月21日（土）14:00～15:00ギャラリートークを行います。
略歴
- 1973
- 大阪府生まれ
- 1997
- 京都市立芸術大学 卒業
個展
- 1999
- 光りの透きま（galerie 16／京都）
- 2000～2006
- 中空宙（galerie 16／京都、GALLERY CAPTION／岐阜）
- 2006
- 澄んだ にごり（GALLERY CAPTION／岐阜）
- 2007
- ひとときの虹（galerie 16／京都）
- 終わりの扉（GALLERY CAPTION／岐阜）
- 2008
- 窓ごしの空色（iTohen／大阪）
グループ展
- 1996
- 全国大学版画展（町田市立国際版画美術館／東京）
- 2001
- 差の地図：日米芸術家交換フェローコラボレーションプロジェクト （galerie 16／京都）
- 2002
- THE BOOK／観賞週間（galerie 16／京都）
- 2003
- christmas show 2003 （GALLERY CAPTION／岐阜）
- 2004
- 京都府美術工芸新鋭選抜展～2004新しい波～ 優秀賞（京都文化博物館／京都）
- 2005
- 裏・アートマップ（京都芸術センター／京都）
- 旅の空（GALLERY CAPTION／岐阜）
- MUSEUM LABORATORY 2005（海岸通ギャラリー・CASO／大阪）
- 2006
- ArtCourt Frontior 2006（ARTCOURT Gallery／大阪）
- 2007
- small-ness（Muromachi Art Court／京都）
- PARTY（LADS GALLERY／大阪）
画廊編にて3月9日より21日まで寺田就子展～とろけるひかり～を開催いたします。
小さく繊細な作品が大きな空間を支配し、見る者を非現実の世界に引き込みます。
作品には文房具やビーズ、時にはおもちゃなどが独特のセンスで選ばれ、日常でもよく見るそれらがふわふわ浮いていたりするのです。少しの違和感がとても心地よく、ギャラリーの空気と作品と見ている自分が溶け合って不思議な感覚を覚えます。
主に京都のgalerie 16、岐阜のGALLERY CAPTIONで個展を開催している寺田就子の展示をitohenに続き、大阪で見られる機会を提供できたらと思います。
