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一滴の水は海に注ぐ・・・。
その水は、一瞬にして空気中に発散されることも、或は大地をとおり、
泉やゆっくりと川を下り、草木を潤したかもしれない。
時は巡り、人やモノも廻る。
見えない巨大な円が動いて何かがツナガル。
一枚の版画であったものが些細な断片となりツナガルことで別の物語を作る。
いつかはまた元の塵にかえる。
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床の間に置かれた古家具の戸棚から作品が吐き出されたように作品が会場一面隙間なく散らばっています。まるで作品は、戸棚からの嘔吐物のようにも見え、入り口の方に迫ってくる強い勢いのようなものを感じます。柔らかな肌合いの紙の作品が攻撃性のもった作品に変化しています。
このインスタレーションは、画廊にあった戸棚を作家が見たことから始まりました。人間というのは様々な記憶をもっており、それを引っりだして作品を見ているのだと今回実感しました。この記憶の量が多く、記憶との配線が上手く行くほど、アートを楽しみ力が強くなり大きくなります。(記:中島由記子)
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略歴
- 1996
- オレンセ国際版画ビエンナーレ、マイダネク国際美術トリエンナーレ
- 2000
- ビトラ国際版画トリエンナーレ
- 2005
- 東京国際ミニプリントトリエンナーレ
- 2007
- レッセドラ国際ミニプリント展
- 2008
- ギャラリーマーヤ(高槻市)、ギャラリズム2009
- 2009
- ぎゃらりかのこ(大阪市)、カダケス国際ミニプリント展