BEERのこころ
あちこちに美を見出して(Beauty)
表現の可能性を探り(Expression)、
互いにその芽を育みたい(Education)。
一人ひとりを楽しみながら取り組んで、
新しい明日を創っていこう(Recreation)。
■作品展示
「つつむ」というテーマに即した書作品の発表です。
＜１階＞
制作者にとっての「包」を表現しようとした作品や、「つつむ」という言葉や文字の形をイメージの基点にした作品など、参加者全員が出品しています。また、書に欠かせない「文字」という概念を取り払い、「線」のみに着眼して古典を臨書した作品などを展示いたします。
前期・後期で作品の入れ替えを行う予定です。
＜２階＞
１階とは違った雰囲気で制作しています。様々な作品の世界に包まれて、楽しんでいただければ幸いです。
■エデュケーション ＜３階＞
学校現場における書写・書道教育の取り組みについての発表です。教職に就いている卒業生による試みや、その成果についての実践報告です。
学校教育に携わらない方々にもお伝えできるよう工夫しています。
■「評論を書くことを考えてみる会」 大阪大学 上倉・三宅 美学研究室 主催
１０月２２日（土）１４時より
展示作品をめぐって、作品をつくることや見ること、またそれを文章に書いて伝えることについて、いろいろな角度から意見を交流しあいます。
是非ご参加ください。
以上を柱とした第８回展は、書を手がける方々のみならず、これまで書に関心のなかった方にも楽しんでいただけるよう、心がけております。
ご多用のところ誠に恐縮に存じますが、ご高覧いただきたくご案内申し上げます。
敬具
ごあいさつ
このたびは、大阪教育大学萱ゼミ書展「BEER」においでいただきましてありがとうございます。
この展覧会は、萱のり子先生を中心に、ゼミの現役学生及び卒業生で企画しました。今回、いろいろな難関に遭遇しつつなんとか二回目の開催にたどりつくことができました。
萱先生には、大阪の果て、山の上の大阪教育大学で、学問に関しては温かくも厳しいご指導をいただき、その場では幾つものビール樽を囲んで、まるで家族のように、兄弟姉妹のように接していただきました。そのいわば苦楽を共にした仲間たちで、萱先生を囲んで「書という表現の架け橋」を見つめていこうという着想から、この「BEER」が生まれました。
この「BEER」にはそれぞれの文字を頭文字としたBeauty・Expression・Education・
Recreationという四つのモットーが含まれています。書の命である美を追求し(beauty),
そしてそれを表現しようと(Expression)、教育にいかに参与できるかを考察・実践し(education),それらを総合して新たなものを創造(recreation・・・ラテン語recreatio re-再び、crea-創造する、ation-こと、という成り立ち )しようというものです。
メンバーには萱先生をはじめ、大学で研究に励む現役生、学校で書写・書道を教える者、篆刻に励む者、中国語習得に燃えている者、体育教師として弓道を教える者、書道セラピーを研究する者の他、今回参加している者の他にも様々な分野に進んでいる者がいます分野は異なるものの、それぞれの分野から「書という架け橋」の下に研究・実践を進め、そして時に萱先生の命の源である琥珀色のビールを手にrecreation(回復・気晴らし)しています。
書は、言葉とともにあります。そして書の様々な表現要素は、言葉を助けてくれます。書を目の前にするとき、書は時間を越えて、書き手と見る人の心を繋ぐ架け橋となります。
このゼミ研究活動の一通過点として、みなさまに、「BEER」をご覧いただき、いろいろなご意見を伺いたいと思います。私たちの作品はどれも拙いものですが、同時に私たち一人ひとりも「今」がそこに表れている結晶のようなものです。この未完成の結晶をご覧いただくことにより、書という表現の架け橋を通じて、みなさまとの会話ができることを楽しみにしています。
どうぞごゆっくりご覧下さい。
代表 中村 寿樹
