光と闇を求めて vol.7
もうひとつの大地
『光は、一定速度でどこまでも直進する。』という法則が、この世界を支配している。ならば、この世の中にもう一つ、全く光の届かない場所があってもおかしくはないのではないか。
古くから、アジアでは、陰陽の世界観が存在する。今の日本では、文明のおかげで、光が届かない闇の世界は見えないけれど、夜の明かりの無い時代は、日没とともに、あちこちにその世界の入り口は現れた。
『闇もまた、一定速度でどこまでも直進する。』と考えると、闇も光も、お互いに宇宙を広げ続けている。
一定速度で直進するエネルギーは、他にも存在するであろう。そのエネルギーも広がり続ける宇宙を形成している。
この大地は、ある時点で、ある場所で、もうひとつの大地と接している。あるいは、共有している。
私たちは多次元の世界の上に立っている。
異次元の世界では、私たちはガリバーのように、小人になったり巨人になったりするのであろうか。
私たち人間は、何世代にも渡って、生まれ、育ち、老い、病み、死んでいく。
ときに、争いが、そして、自然が、大勢の人間を飲み込んでしまうこともある。
しかし、廃墟となった街にもまた命は芽生え、人間の営みが繰り返される。
その間に、濃密な感情やドラマが展開されるが、全ては、生まれ消えていくものである。
私たちにとって大切な命は、無限の集合体として、過去から未来に向かって広がる大地のようである。
その大地が無意味では無く、美しく気高くあれと願う。
光と闇を求めて vol.7