4月に続き海外の作家の展覧会が続きます。パリ発のアーティストの展覧会です。
画廊の仕事は発掘が仕事です。売買が主たる目的の画商とは異なります。
発掘という言葉は、考古学のような世界でよく使う言葉で、地下深く埋まっている古代の遺跡や宝物を掘り起こすことを言います。画廊の仕事も、アーティストという才能を掘り起こしていくことです。発掘の作業で最も大事なことは、発掘された物が価値あるものか見分けることです。価値のある出土品とは、現代の我々にとって価値のあるもの、つまりは我々と過去の繋がりが見られるもので、現代の我々が遠い過去を想像という形で喚起させるものです。それが強ければ強いほど価値ある発掘となります。私の仕事の発掘というのはこの仕事と同じで、人の想像を喚起されるものを見つけ、そして人と人の繋がりを見出していくことです。
今回、パリで活躍する二人のアーティストが引き続き展覧会をいたします。彼らにとり日本は、興味深い土地です。中世という宗教と人間性が対立した時代があったこと。自国の文化のみが華やいだ鎖国があったこと。島国という特殊性、排他性。明治維新以後の目覚しい経済成長。こういった、様々なオリエントの要素が彼らを惹き付けています。しかし、兎にも角にも人間とは繋がりたいと思っているのだと思います。その繋がりは、強く人間の想像力を掻き立てます。
Francis Violette (フランシス) 2010/5/10-5/29 Space AMI
ドローイング、油画。 搬入のため、5/7～来日。 無意識の中で作品を制作する。色への感覚がフランス人らしく、作品が映画のセットに使われているほどの人気。普段は看護士として病院で働いていて、とても優しい人。■Yves Clerc （イブ・クレーム） 2010/5/31-6/19 Space AMI
2009年にはパリ、エルメス本店のショーウィンドゥを美しく飾った。フランス人らしいエスプリの効いた華やかな色使いとセンスの持ち主。作家独自のプリント技法による。
■榎本 晋 2010/5/10-5/22 Space Kanoko
ノビグルミ。多種多用な布で作った人形、ノビグルミ。宇宙人のような、変わった生き物達。ノビ小学校4年1組。いじめっ子、騒がしい奴、ふとった運動オンチの班長、お茶目で愛嬌のある子。元気いっぱいの4年1組が登場。